2009年11月11日水曜日

KB(オランダ国立図書館)の連携プロジェクト

本日KB(オランダ国立図書館)のR&D担当の方から講義を受けました。

KBが関わっている国際的な連携プロジェクト(主にEUの枠)は、有名どころのEuropeanaをはじめ、いろいろ。

1.Mass digitizationに関わるもの
IMPACT

2.Digital Preservationに関わるもの
Planets(FP6の枠では2010年5月終了予定。その後British Libraryを拠点として成果は継続的に共有、改善される。)
KEEP (Emulation技術に係るプロジェクト)
PARSE.insight (研究データの保存に関する短期プロジェクト)

3.その他
DRIVER、Alliance for Permanent Access、Europeana など

なかでも、今日は特にIMPACTについて。
これは、図書館等のコンテンツホルダーによるデジタル化をスピードアップすることを目的としたプロジェクトだそうです。

どうやって?
  1. OCRの技術革新に対する企業のモチベーションを高めるために、複数機関が協力してデジタル化対象資料の'critical mass' を作る。
  2. デジタル化のノウハウを共有する。
スコープは?
  1. 1900年刊行以前の印刷本(Printed books)
  2. フルテキスト検索可能なデジタル化
技術上の課題は?
  1. マニュスクリプトの古い書体やレイアウトを引き継いでいる初期印刷本に対応可能なOCR技術の開発
  2. 古いスペリングに対応した辞書の整備
戦略上の課題は?
  1. パートナーの拡大。現在のところ、
  • 欧州各国の図書館
  • 言語の専門家(現在のところ英語、オランダ語、ドイツ語をカバー。フランス語、スペイン語、ポーランドの専門家を探し中)
  • IBM
  • ABBYY (ロシアのOCR会社) ※EU圏外のパートナーについては、EUが出資した分を、当該パートナーが所属する国がEUに払い戻す仕組み)
'Broader EU(チェコ、スロヴェニア、クロアチア、ブルガリアなど)' にもパートナーを広げたい。
とりあえず、以上。

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