2009年11月13日金曜日

Googleと図書館

(1)V.Waller, The Relationship between public libraries and Google: too much information, First Manday (07/09/2009) の中で論じられていること。
  • 公共図書館とGoogleの関係が次第に悪化していったのは、両者の'information'についての考え方の違いによる。
  • 公共図書館はinformationの中身を重視し、民主主義の実現のためにinformationへのアクセスを提供するのに対し、Googleはinformationをターゲットを絞った広告を行い、広告収入を得るためのツールと考えている。
  • 私たちがますますウェブに頼るようになるにつれ、すべてのものが(Googleのいう)informationになる。
  • 公共図書館は、Googleとは異なる自らのアイデンティティを再確認しなくてはいけない。
(2)ちなみにちょっと古いのですが、図書館のマーケティングの授業で参考文献になっているR.Darnton, Google and Future of the Books, The New York Review of Books (12/02/2009) では、「情報へのアクセスのコントロールという公共政策で決めるべきことが、民事訴訟で決まってしまったことが問題」と述べられています。(この記事は、ここ以外の部分の方が面白いです。ただし古いので、Internet Archive等の動きは視野に入っておらず、米国の本のデジタル化は、ほとんどGoogleによって独占的に進められることを前提にしています。)
(3)Googleと図書館といえば、Geoffrey Nunbergという人が 'Google Books: The Metadata Mess' というプレゼンをして、ちょっとした言葉のあやで、こんな反論を受けていました。 NunbergのFarewell to the Information age という論稿には、10月に提出したエッセイの参考文献として大変お世話になったので、ちょっと気の毒に思いました。

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