2010年4月25日日曜日

予習中。

水曜日からアーカイブ系の会議を覗きにいくので、予習のためにアーカイブ系の雑誌を読んでいます。Archive Science の2008(8)号がDigital Convergence下におけるMLA連携についての特集です(Library QuarterlyとMuseum Management and Curatorship と合同で計14本の記事を掲載)。Archival Scienceに掲載された5本の記事はどれもなかなか読み応えがありますが、頭の整理に役立ったのは3本目のカナダ国立図書館公文書館(LAC)からの記事と1本目のドイツのMLA(美術館・図書館・文書館)ポータルBAMの開発者からの記事でしょうか。前者は、図書館と公文書館でどこが統合できてどこをそれぞれに取り組むべきかという点について整理、後者はMLAポータルを構築する上での公文書館の視点について示唆を得ることができます。その他、スミソニアンとFlickrの連携についてやアーカイブにおける「ジャンル」導入とその自動化についての記事があります。

2010年4月24日土曜日

オランダ食生活

 
「オランダの食事はおいしくないのでは?」とよく訊かれるのですが、答えは「いいえ」です。
たいていの食材は手に入りますし、ライデンは比較的大きな市場が週2回立つので、とっても新鮮な食材を安く買うことができます。
ワイン、ビール、果物も日本に比べると割安です。

先日、旅先で「いくら」の瓶詰めを見つけたので(これはさすがに近所では手に入りません)、炊き込みご飯に載せてみました。(邪道?)
モッツァレラチーズも、ふわふわ崩れそうなくらいに柔らかくて、ほっぺたが落ちそうなくらいおいしいんですよ。トマトは甘い。

さて外食は?
フランスに比べるとおいしいパンを見つけるのは大変。ケーキは、甘さ控えめでフルーツがたくさん使われているので、日本人の好みには合うと思います。おいしいケーキとコーヒー・紅茶の組み合わせが4ユーロ程度なので、ついつい日常的に食べてしまいます。レストランは、「オランダ人が行くところへ行け」。オランダ的肉の塊料理は、意外と美味です。野菜もたくさん付いてきます。名物のハーリング(にしん)の(浅)塩漬けも私は大好きです。土曜の昼ごはんはたいていハーリングのサンドウィッチ。市場の魚屋さんで売っているのです。
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2010年4月12日月曜日

アルドゥス・マヌティヌス

ついでに同じサイトから『わが電子「活字文化」論』なる記事。ふんふん、なるほど、と思って読みました。
マヌティウスについてちょっと補足しておくと、彼は「小型の本」という形を普及させ、美しい活字を使ったたというだけでなく、その小型の本で、それまでマニュスクリプトでしか読めなかった大量のギリシア・ローマの古典を印刷出版したことで有名です。そのために、学者によって構成される編集者グループを組織し、定期的にアカデミーを主催して、考証・校閲された質の高いテキストを新しい時代の読者(自ら考証はしないが、教養として古典を身につけたい読者)に提供し、成功しました。彼自身がギリシア・ローマの古典を愛したからでもありますが、「何」を新しい読者に引き継ぎたいかということについて明確なヴィジョンを持ったうえで大量のメディア変換を遂行したわけです。

2010年4月11日日曜日

む?

タイトルに釣られて思わず読んじゃいましたが、
「メタが出版を救う:青空文庫が注記ルールを公開」(Ebook2.0 Forum)
これって結局レイアウトに関する情報のみのような。これで「コンテクスト」とか「意味情報」って言ってしまっていいのかな。
(青空文庫の公開内容についてはこちら->http://kumihan.aozora.gr.jp/slabid-19.htm)

きっと論点は、今回公開されたメタに限らず、利用価値のあるメタ情報についてのルールを作っていくところにビジネスチャンスがあるよ、ということなのでしょう。

…にしても、テキストデータに関する意味情報というと、こちらの授業ではデジタルヒューマニティーズの分野で標準的に使われているTEI(Text Encoding Initiative)を習いましたが、これって出版界ではあまり使われていないってことなのでしょうか。(そもそも日本語版策定の試みの結末はどうなったのか。)教育書とか辞書・参考書の類とかで使っていてもよさそうなものですが。

うーむ。知らないことがいっぱいです。

チャイコフスキー交響曲5番

昨日に続き、デジタル化計画の宿題続行中。2日目ともなるとさすがに士気が上がらないので、ちょくちょく気分転換をしながら、能率悪く遂行中でした。そこへ!キッチンからチャイコフスキーの交響曲第5番です・・・!!!最高の快感!!!鬱々とした気分がすっかり晴れました。持つべきものはフラットメイト。がんばるぞい。

2010年4月10日土曜日

書架の長さから・・・

任意のコレクションについて、最適なデジタル化プロジェクトを策定する宿題を遂行中。ネタはもちろん在ライデン日本古典籍です。それ以外、よくわからないので。
もっと早くから始められたのですが、なんとなくだらだらしていて今朝から本気になりました。「お金がつくように書いてね」ということなので、どうしたらオランダ人がお金出してくれるかなぁ(そもそも仕事してくれるかなぁ)なんて考えながら、書いています。きっと「わくわく」しないとやってくれない、難しそうだとやってくんない…んだろうなぁ、、、
おおお、書架の長さからデジタル化するページ数を算出する方法…ってどっかにありそうですよね。見つかんないなぁ。…仕方ないので測ってみました。和本じゃないですけど、自分の書架で。15488ページ/mでした。とすると、ライデン大学の所蔵分だけで47mなので約73万ページ。2ページで1コマ(画像)とすると36.5万コマ。これに表紙の分を入れて(960タイトル分とのことですが正確な冊数は不明)、37万コマくらいでいいのかなぁ。でもぜんぶデジタル化する必要もないのかなぁ。

2010年4月7日水曜日

おいしいお酒?

 
ワインやビールが安くておいしいオランダですが(主に近隣国のおかげで)、どうやら私は強めのお酒をちょこっと飲む方が好きみたいです。チェコ系アメリカ人の友人が帰国するときにおいていった、チェコのお酒3種とアイリッシュウィスキー、疲れたときにちょこっと飲んでます。おいしい。世界は広いですが、お酒の世界はもっと広い、と思ったのでありました。
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ライデン大学の日本古典籍 その2

 
ライデン大学の日本古典籍はいろいろな装いをしています。ちょうどよい例があったので紹介します。
左から、和装のままマーブル厚紙の帙にくるまっているもの、和装のまま裸のもの、青いカバーで洋製本されたもの、茶色の専用の箱をあつらえられたもの、です。青いカバーの洋製本には、F.W.Binckという20世紀初めにハーグに店を構えていた製本家のサインが入っています。J.J.Hoffmannがよく使用したと見られる本に、このように洋製本された本がよく見られます。

ここに並ぶ4冊は、1896年刊のSerrurierという人が編纂したカタログでは、すべて『大全早引節用集』というタイトルの元に収録されていますが、実際はすべて異なる版で、ライデン大学図書館の請求記号では、左からSer.39, Ser.39a, Ser.39b, Ser.39cとなっています。来歴も異なり、39にシーボルトの、39cにフィッシャーの蔵書印、39bには「大日本通信使 松平石見守家来 野澤伊久太」からホフマンへ贈られた旨の記載があります。
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よい季節

 
桜咲く日本から「オランダはまだ寒いのか」とのお便りをいただきますが、春分が過ぎてから一気に日が延びてぽかぽかよい季節の到来です。10日くらい前からサマータイムに切り替わり、8時半ころまで明るい今日この頃。気候のよい日は運河沿いのカフェが賑わっています。
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2010年4月2日金曜日

Japanese Book Workshop in Leiden

 
今更ですが、2月26日(金)にBook and Digital Media Studiesのクラスメートと教授、ライデン大学図書館Scaliger Instituteの方々を対象にJapanese Book Workshopを開催しました。パリ在住の日本人保存修復技術者の方の協力も得て、和綴じの実習付き、また医学史分野の教授(Scaliger Instituteのディレクターでもある)から、オランダ語から日本語に翻訳された江戸期の医学書等、シーボルトが持ち帰った資料の紹介がありました。大学図書館のコンサバターの方が、急遽日本産とタイ産の楮のサンプルも持ってきてくださり、好評のうちにお開きとなりました。
Scaliger Instituteは2000年に大学図書館と人文学部によって組織された、スペシャルコレクションを利用した研究促進のための組織です。書庫に眠る日本古典籍(日本から以外の利用が少ないそうです)の紹介の機会として、非常に感謝されました。
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アンケート協力のお願い

フローニンゲン大学に留学中の日本人の方からのアンケート協力依頼です。なかなか面白いので、よかったら以下のリンクからご協力お願いいたします。
------(依頼者からのメッセージ)--------
オランダのフローニンゲン大学では、自動車利用に関するオンライン・アンケート調査を実施中です。
18歳以上の方であれば、どなたでも参加できます。自動車を利用していない方でも回答することができます。
所要時間は約10分で、すべての項目が選択式です。
http://rug.questionpro.com/お時間のあるときにご協力ください。また、お知り合いの方にもご紹介いただけると幸いです。
-------(メッセージ以上)--------------

ライデン大学の日本古典籍

 
だいぶ間が空いてしまいましたが、、、その間にライデン大学所蔵の日本古典籍の森の中に分け入りました。写真はシーボルトの蔵書印がある『倭漢三才図会』からのものです。植物に関する巻には、各項目にラテン名(?)と中国名が、その他諸々のメモが各所に見られます。これはおそらくシーボルトの弟子のホフマン(J.J.Hoffmann)によるものではないかとのこと。

『倭漢三才図会』はライデン大学だけで全部で3セット所蔵しています。シーボルト蔵書印のもののほか、フィッシャーの蔵書印及び蔵書票があるもの(これは一部の巻のみから成る不完全なセットで、あまり使用された形跡がありません)、またジョルジュ・アッペールというフランス人の蔵書印があるものがあります(法律分野のお雇い外国人だった人で、ヨーロッパに帰国後にライデン大学に寄贈したものと思われます)。最後のセットは状態がとても悪いですが、他の2セットはとてもきれいです。
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