2010年4月12日月曜日

アルドゥス・マヌティヌス

ついでに同じサイトから『わが電子「活字文化」論』なる記事。ふんふん、なるほど、と思って読みました。
マヌティウスについてちょっと補足しておくと、彼は「小型の本」という形を普及させ、美しい活字を使ったたというだけでなく、その小型の本で、それまでマニュスクリプトでしか読めなかった大量のギリシア・ローマの古典を印刷出版したことで有名です。そのために、学者によって構成される編集者グループを組織し、定期的にアカデミーを主催して、考証・校閲された質の高いテキストを新しい時代の読者(自ら考証はしないが、教養として古典を身につけたい読者)に提供し、成功しました。彼自身がギリシア・ローマの古典を愛したからでもありますが、「何」を新しい読者に引き継ぎたいかということについて明確なヴィジョンを持ったうえで大量のメディア変換を遂行したわけです。

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