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2017年8月28日月曜日

調査リポート:Europeanaを各種オンライン文化資源サービスと比較するとどのような特徴があるか(2016)

私が崇拝する(?)DENから出た最近の調査リポート。
Europeana as online cultural information service
https://pro.europeana.eu/files/Europeana_Professional/Publications/europeana-benchmark-report-sep-2016.pdf

Europeanaを他の同様のサービス(有償無償、民間公共問わず)と比較してどのような特徴があるかを分析したもの。調査対象となったサービスは下図のものを含め19種。




結果をざっくり言うと、Europeanaは、他のサービスと比較して、双方向性が「高」、信頼性が「中の下」、使いやすさが「中」。

後半は、どのようにこの調査を行ったか、元になったデータと方法論の話で、ここがまた興味深い。

2009年11月21日土曜日

Siva Vaidhyanathan

Google批判(批評?)の論客、Siva Vaidhyanathan。

暇なときに読むと面白い(し、何か書くときに役に立つかも?)⇒http://www.googlizationofeverything.com/

掲載記事のひとつ、Another Chapter: The many voices of Google より。

The struggle to speak freely on the global network of networks does illustrate the daunting challenges of forging a "global civil society," or a media environment in which citizens around the world may organize, communicate, and participate openly and equally by discovering and using reliable knowledge.

 この手前には、中国のインターネット統制の話が出ていて、この後ハーバーマスのpublic sphere の話へ移っていきます。そして、Googleが提供する検索結果は、ユーザーがどこからアクセスするかによって変わるんですよ、とか、アジア言語文化圏ではアルファベット文化圏に比べてGoogleの使用率は低いですね、とか、ロシアはジャーナリズムへの規制は厳しいのにインターネットに関しては緩め、、、というような話が続く。
 'forge'というと、なんとなく'forgery'のイメージで、「偽物を作る」みたいな意味かと思ったのですが、辞書を引くと「苦労して作る」という意味もあるみたいです。

2009年11月15日日曜日

Google Settlement Amendment 続き

日本からの反応にこんなのがありました。⇒
電子ブック戦争 日本の敗北,池田信夫blog. part2

確かに、Wikipediaのページを敢えてオンデマンドで紙に焼くビジネスが成立してしまうくらいだから(個人的には、なぜそれを欲しがる人がいるのかよく分からないですが)、紙と電子で同じコンテンツを配布するっていうのは成り立つのかもしれないですね。

電子本の値段の設定は、利用条件によって価格を変えられるから、少なくとも総売り上げでは紙だけで配布の場合を上回るようにビジネスを組み立てていくことは可能なはずです。(といっても、「機関契約」でえげつない条件を非営利の公共機関や大学につきつけるのはどうかと思うので、出版社は公益と自社の利益のバランスに配慮した価格設定を考えていかないといけないのでしょう。?日本みたいに取次が入ると何か複雑になるのかな?)

個人的には、電子本になって欲しい本(重い本!)が電子本になっていない!!!!!のが腹立たしいところ。
オランダ出版史の授業の参考文献 bibliopolisとか、マニュスクリプトの授業の教科書のIntroduction to Manuscript Studiesとか、面白いんですが、重くて分厚くて、コピーをとるのも簡単じゃないので、家でしか読めないのです。読まなきゃいけない量が多いので、移動しながら読みたいのですが、携帯には200ページ程度のペーパーバックが限界です…。

2009年11月14日土曜日

Google Settlement Amendments

「平和に読書」の週末のはずだったんですが。

Googleとthe Authors Guild、the American Association of Publishersとの間で、修正和解案が合意に達したようです。後は、NY連邦地裁からお墨付きをもらえばよいみたいです。
日本ではこんな感じで報道されているようです↓
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20091114-OYT1T00830.htm
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009111401000428.html

概要と全文へのリンクはここ⇒http://books.google.com/googlebooks/agreement/
(すぐに更新されてしまうのか?) "Read What People are saying about ..."のところにはいいことばっかり書いてある。

納得していないOpen Book Alliance のコメントはここ。(これはpermalink。)

これに対して、イギリスのthe Publisher's Associationは、けっこうハッピーな感じのコメントを出しています。⇒
http://www.publishers.org.uk/en/home/news/detail/index.cfm/nid/06614453-D887-4166-861BC6F134B85239 (PAが作成した修正案のサマリーはこちら

EUからは、まだコメント出ていないようです(調べられた限りでは)。
これまでのEUとGoogleとの関係はこちらのページのPolicy Summaryで追うことができます。

イギリスはどっちにも乗っかってて、ちょっとずるい感じ・・・。

2009年11月13日金曜日

Googleと図書館

(1)V.Waller, The Relationship between public libraries and Google: too much information, First Manday (07/09/2009) の中で論じられていること。
  • 公共図書館とGoogleの関係が次第に悪化していったのは、両者の'information'についての考え方の違いによる。
  • 公共図書館はinformationの中身を重視し、民主主義の実現のためにinformationへのアクセスを提供するのに対し、Googleはinformationをターゲットを絞った広告を行い、広告収入を得るためのツールと考えている。
  • 私たちがますますウェブに頼るようになるにつれ、すべてのものが(Googleのいう)informationになる。
  • 公共図書館は、Googleとは異なる自らのアイデンティティを再確認しなくてはいけない。
(2)ちなみにちょっと古いのですが、図書館のマーケティングの授業で参考文献になっているR.Darnton, Google and Future of the Books, The New York Review of Books (12/02/2009) では、「情報へのアクセスのコントロールという公共政策で決めるべきことが、民事訴訟で決まってしまったことが問題」と述べられています。(この記事は、ここ以外の部分の方が面白いです。ただし古いので、Internet Archive等の動きは視野に入っておらず、米国の本のデジタル化は、ほとんどGoogleによって独占的に進められることを前提にしています。)
(3)Googleと図書館といえば、Geoffrey Nunbergという人が 'Google Books: The Metadata Mess' というプレゼンをして、ちょっとした言葉のあやで、こんな反論を受けていました。 NunbergのFarewell to the Information age という論稿には、10月に提出したエッセイの参考文献として大変お世話になったので、ちょっと気の毒に思いました。