オランダの新聞のデジタル化は、オランダ国立図書館(KB)が一手に引き受けてDDD(Databank of Daile Digital Newspapers) というプロジェクトで行っています。KBのご自慢プロジェクトのひとつで、何度か職員の方から説明を受けました。
まず、基本的なこととして、デジタル化は「プロジェクト」として行われ、プロジェクトマネージャーが設置されます。デジタル化までは大きく二つのステップです。
(1)Selection and Preparation (選択と準備)
デジタル化範囲の決定と準備作業を行います。デジタル化対象について、意思決定します。必要に応じて外部の意見も聴取します。意思決定の後は、瑕疵のないコピーを揃え、保管場所を整え、デジタル化に伴う定型作業のワークフローをマニュアル化することがメインです。新聞については、原資料の劣化がかなり進んでいることを考慮する必要があります。既にマイクロ化されている場合は、その利用も検討します。
(2)Digitization(デジタル化)
新聞のデジタル化は、画像作成、OCR、メタデータ作成の3つの作業から成ります。新聞のように雑多な情報が入り混じり、利用者の利用目的も幅広いコンテンツについては全文検索ができないと使い勝手が悪いので、OCRによってテキストデータが作成されますす。(余談:このときの苦労経験が現在EU単位でのOCR精度向上プロジェクトIMPACTにつながっています。)また、充実したメタデータが付与されます。記述メタは、他のデジタル化済資料群と同じくダブリンコアに基づきます。必要に応じて要素を足します。たとえば、朝刊or夕刊の別、地方版の地方等が追加されます。その他、新聞については特に、構造メタ(Structural Metadata) とレイアウト・メタ(Layout Metadata)というのが重要視されます。構造メタはMPEG21-DIDLに基づきます。第何刷の何ページ目に掲載された記事か、という各記事の(概念上の)位置を特定する階層関係が記述されます。レイアウト・メタはALTOという基準です。各記事の、各ページ(平面)における物理的な位置を記述します。新聞は異なる情報の配列が複雑に入り組んでいるので、全文検索の検索結果をハイライトで表示するのに必要だそうです。
KBサイトによるプロジェクトの紹介はこちら>http://www.kb.nl/hrd/digi/ddd/index-en.html
2010年2月4日木曜日
ヨーロッパのデジタル化(数字)
オランダ国立図書館職員H.Crijns氏曰く。
2007年に行われたある調査(実施主体について言及なし、ヨーロッパの国立図書館の連合体CENLに参加する図書館のうち37館が回答)によると、これら37館が所蔵する資料総数 約4億点のうち、
2006年時点で400万点がデジタル化済み
2012年までに1700万点がデジタル化される予定。
博物館・美術館については対応する数字はないが、たとえばオランダだと
国内の主要な博物館・美術館600館の収蔵品(目録があるもの)3600万点のうち、
なんらかの形の機械化された目録があるものは29%~49%、デジタル化されているものが15%~35%、そのうちオンラインで公開されているものは5%程度とのこと。(なんて幅のある数字なんだ・・・。)
所蔵資料のデジタル化というのは、それを行う図書館・博物館・美術館等にとっては、「長期的な負担を伴う、短期的な巨額の投資(short-term investment with long-term burden)」に過ぎない。
それでも敢えてやるのは(はらを決めて行け行けどんどんでがんばっているのは)、 「メディアの覇権交替」はもうどうしようもない現実で、将来に遺したいものはデジタル化しなければ失われてしまうから。(if certain percentage is online, then rest MUST follow.)
2007年に行われたある調査(実施主体について言及なし、ヨーロッパの国立図書館の連合体CENLに参加する図書館のうち37館が回答)によると、これら37館が所蔵する資料総数 約4億点のうち、
2006年時点で400万点がデジタル化済み
2012年までに1700万点がデジタル化される予定。
博物館・美術館については対応する数字はないが、たとえばオランダだと
国内の主要な博物館・美術館600館の収蔵品(目録があるもの)3600万点のうち、
なんらかの形の機械化された目録があるものは29%~49%、デジタル化されているものが15%~35%、そのうちオンラインで公開されているものは5%程度とのこと。(なんて幅のある数字なんだ・・・。)
所蔵資料のデジタル化というのは、それを行う図書館・博物館・美術館等にとっては、「長期的な負担を伴う、短期的な巨額の投資(short-term investment with long-term burden)」に過ぎない。
それでも敢えてやるのは(はらを決めて行け行けどんどんでがんばっているのは)、 「メディアの覇権交替」はもうどうしようもない現実で、将来に遺したいものはデジタル化しなければ失われてしまうから。(if certain percentage is online, then rest MUST follow.)
2009年11月14日土曜日
Google Settlement Amendments
「平和に読書」の週末のはずだったんですが。
Googleとthe Authors Guild、the American Association of Publishersとの間で、修正和解案が合意に達したようです。後は、NY連邦地裁からお墨付きをもらえばよいみたいです。
日本ではこんな感じで報道されているようです↓
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20091114-OYT1T00830.htm
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009111401000428.html
概要と全文へのリンクはここ⇒http://books.google.com/googlebooks/agreement/
(すぐに更新されてしまうのか?) "Read What People are saying about ..."のところにはいいことばっかり書いてある。
納得していないOpen Book Alliance のコメントはここ。(これはpermalink。)
これに対して、イギリスのthe Publisher's Associationは、けっこうハッピーな感じのコメントを出しています。⇒
http://www.publishers.org.uk/en/home/news/detail/index.cfm/nid/06614453-D887-4166-861BC6F134B85239 (PAが作成した修正案のサマリーはこちら)
EUからは、まだコメント出ていないようです(調べられた限りでは)。
これまでのEUとGoogleとの関係はこちらのページのPolicy Summaryで追うことができます。
イギリスはどっちにも乗っかってて、ちょっとずるい感じ・・・。
Googleとthe Authors Guild、the American Association of Publishersとの間で、修正和解案が合意に達したようです。後は、NY連邦地裁からお墨付きをもらえばよいみたいです。
日本ではこんな感じで報道されているようです↓
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20091114-OYT1T00830.htm
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009111401000428.html
概要と全文へのリンクはここ⇒http://books.google.com/googlebooks/agreement/
(すぐに更新されてしまうのか?) "Read What People are saying about ..."のところにはいいことばっかり書いてある。
納得していないOpen Book Alliance のコメントはここ。(これはpermalink。)
これに対して、イギリスのthe Publisher's Associationは、けっこうハッピーな感じのコメントを出しています。⇒
http://www.publishers.org.uk/en/home/news/detail/index.cfm/nid/06614453-D887-4166-861BC6F134B85239 (PAが作成した修正案のサマリーはこちら)
EUからは、まだコメント出ていないようです(調べられた限りでは)。
これまでのEUとGoogleとの関係はこちらのページのPolicy Summaryで追うことができます。
イギリスはどっちにも乗っかってて、ちょっとずるい感じ・・・。
2009年11月13日金曜日
Googleと図書館
(1)V.Waller, The Relationship between public libraries and Google: too much information, First Manday (07/09/2009) の中で論じられていること。
(3)Googleと図書館といえば、Geoffrey Nunbergという人が 'Google Books: The Metadata Mess' というプレゼンをして、ちょっとした言葉のあやで、こんな反論を受けていました。 NunbergのFarewell to the Information age という論稿には、10月に提出したエッセイの参考文献として大変お世話になったので、ちょっと気の毒に思いました。
- 公共図書館とGoogleの関係が次第に悪化していったのは、両者の'information'についての考え方の違いによる。
- 公共図書館はinformationの中身を重視し、民主主義の実現のためにinformationへのアクセスを提供するのに対し、Googleはinformationをターゲットを絞った広告を行い、広告収入を得るためのツールと考えている。
- 私たちがますますウェブに頼るようになるにつれ、すべてのものが(Googleのいう)informationになる。
- 公共図書館は、Googleとは異なる自らのアイデンティティを再確認しなくてはいけない。
(3)Googleと図書館といえば、Geoffrey Nunbergという人が 'Google Books: The Metadata Mess' というプレゼンをして、ちょっとした言葉のあやで、こんな反論を受けていました。 NunbergのFarewell to the Information age という論稿には、10月に提出したエッセイの参考文献として大変お世話になったので、ちょっと気の毒に思いました。
Internet Archive BookServer Project 発表 (2009年10月19日)
一応これも。参考程度。
B.Stein, The Internet Archive annouced BookServer Project, if:book (20/10/2009)
以下はこれに関連したcnet.newsの記事より抜粋↓
B.Stein, The Internet Archive annouced BookServer Project, if:book (20/10/2009)
以下はこれに関連したcnet.newsの記事より抜粋↓
With BookServer, the Internet Archive is hoping that for the first time, consumers everywhere will be able to buy or borrow any text they want while leaving control over pricing and terms of such distribution in the hands of the content owners.
"The way Amazon is really screwing up the market, creating expectations around (lower) prices, is calamitous," McIlroy (Thad McIlroy, an electronic publishing industry analyst) said, "and very, very damaging to publishing." Essentially, Amazon is undercutting book prices and forcing publishers to make harder choices about which books to publish and how to edit them, he suggested. But now, with both Google and the Internet Archive on the job, Amazon may ultimately "be defeated by these two."
2009年11月11日水曜日
KB(オランダ国立図書館)の連携プロジェクト
本日KB(オランダ国立図書館)のR&D担当の方から講義を受けました。
KBが関わっている国際的な連携プロジェクト(主にEUの枠)は、有名どころのEuropeanaをはじめ、いろいろ。
1.Mass digitizationに関わるもの
IMPACT
2.Digital Preservationに関わるもの
Planets(FP6の枠では2010年5月終了予定。その後British Libraryを拠点として成果は継続的に共有、改善される。)
KEEP (Emulation技術に係るプロジェクト)
PARSE.insight (研究データの保存に関する短期プロジェクト)
3.その他
DRIVER、Alliance for Permanent Access、Europeana など
なかでも、今日は特にIMPACTについて。
これは、図書館等のコンテンツホルダーによるデジタル化をスピードアップすることを目的としたプロジェクトだそうです。
どうやって?
とりあえず、以上。
、
KBが関わっている国際的な連携プロジェクト(主にEUの枠)は、有名どころのEuropeanaをはじめ、いろいろ。
1.Mass digitizationに関わるもの
IMPACT
2.Digital Preservationに関わるもの
Planets(FP6の枠では2010年5月終了予定。その後British Libraryを拠点として成果は継続的に共有、改善される。)
KEEP (Emulation技術に係るプロジェクト)
PARSE.insight (研究データの保存に関する短期プロジェクト)
3.その他
DRIVER、Alliance for Permanent Access、Europeana など
なかでも、今日は特にIMPACTについて。
これは、図書館等のコンテンツホルダーによるデジタル化をスピードアップすることを目的としたプロジェクトだそうです。
どうやって?
- OCRの技術革新に対する企業のモチベーションを高めるために、複数機関が協力してデジタル化対象資料の'critical mass' を作る。
- デジタル化のノウハウを共有する。
- 1900年刊行以前の印刷本(Printed books)
- フルテキスト検索可能なデジタル化
- マニュスクリプトの古い書体やレイアウトを引き継いでいる初期印刷本に対応可能なOCR技術の開発
- 古いスペリングに対応した辞書の整備
- パートナーの拡大。現在のところ、
- 欧州各国の図書館
- 言語の専門家(現在のところ英語、オランダ語、ドイツ語をカバー。フランス語、スペイン語、ポーランドの専門家を探し中)
- IBM
- ABBYY (ロシアのOCR会社) ※EU圏外のパートナーについては、EUが出資した分を、当該パートナーが所属する国がEUに払い戻す仕組み)
とりあえず、以上。
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