2009年11月11日水曜日

デルフト公共図書館(+生意気言)

書架を取り去り、デジタルへ移行した図書館が話題になってます。⇒http://current.ndl.go.jp/node/15243

同じようなことはドイツやオランダでも起きていて、今週のHistory of Booksの授業で話題になりました。J.Riversの予言どおりにことが運ぶのか。

「書架のない図書館」には賛否両論あると思いますが、「ちょっとラグジュアリーで居心地のいい図書館」というのは大陸ヨーロッパではごく自然に目指されていることだと思います。

アメリカの様子が分からないのですが、以下の記事を読む限り、ちょっと違いそうです。
Visiting the Most Modern Library in the World, the Shifted Librarian (19/03/2008)

ここで紹介されているデルフト公共図書館は、こんなことをやっています。
Discover Innovations at DOK, Holland’s 'Library Concept Center'

ちなみに、'Library' というものについての基本的な考え方が、英米と大陸ヨーロッパではちょっと違う気がします。うまく言えないのですが、前者はDemocracyに根ざしているけれど、後者はHumanismに根ざしている。もちろん相対的なもので、お互いに影響し合って現在の姿があるのだとは思いますが。
もっと表面的なところでは、前者は開架式の伝統だけど、後者は閉架式の伝統だ、という違いもあったりします。

DemocracyでもHumanismでも何でもいいのですが、何かその社会に内在する価値をバックボーンに据えることで大きな動きが作りやすくなるということはあると思います。

「デジタル化」という流れは、ヨーロッパにいても日本にいても、技術の寄せ集めの中で進んでいくことに変わりはないのだと思いますが、ここにいると、どうしても「日本のバックボーンは・・・」というようなことを考えてしまいます。日本という単位で考えてしまうところがまた、私自身もアナクロニズムにはまってしまっているのですが。EUは、思った以上に偉大です。

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