2009年11月4日水曜日

「なか身!検索」したいなぁ

出版史の授業、ようやく「18世紀中期~19世紀初め」というユニットに進みました。

この時期はヨーロッパでは啓蒙思想(enlightenment)やら「子ども」という概念やらが出てきた時期で、その背景の中で出版物の多様化が進んだとのこと。つまり、大衆向けの雑誌、新聞、趣味の本(ガーデニングや料理本)、入門書(「ニュートン理論入門」等)、辞書・事典類、架空の旅行記(ガリバー、ロビンソン・クルーソー)、それらの女性向けヴァージョン、児童書などが出てきて、読者人口の拡大に伴って「出版社」が成長してきた時期。

中でも、「子ども」の誕生、それに関連しての「よい大人」になるための「よい教育」への志向は、出版物に対するニーズの形成に少なからぬ影響を与えたとか。

ふむふむ・・・。

西洋の子ども観の変化は、学部生時代の教育思想史の授業のおぼろげな記憶でなんとなく想像がつくのですが、日本の子ども観て、そういえばどうだったんでしょう・・・?

オランダの図書館には関連する本がなかったので、買った方が早そうだ、とamazon.co.jpで検索。
近世以前についての本が少ない・・・。しかも目次を見る限り、ほとんどの本は子どもについての思想というより、制度の変遷の話になっていそうだ・・・。

平凡社の「日本こども史」というタイトルに、なんとなく興味を惹かれたのですが、いかんせん、本の中身がよく分からないので、海外から高い送料を払って、何日も待って、買う気にはなれませんでした。(ついでにいうと、日本の本は内容に比して値段が高かったんだ!というのがヨーロッパに来ての印象です。ヨーロッパは本は安いです。)

学生生活に本は必需品なので積極的に買っていますが、やはり中身を見ずに買うことはめったにしません。日本の本も、もう少しネット経由の消費者向けに中身を見せてくれると嬉しいのですが・・・。

人がこれだけグローバルに動き、日本語を理解する外国人の方も、ここヨーロッパですら、「思った以上に」いるようです。18世紀風に言えば、「日本語リテラシーは世界的レベルでは緩やかに成長を続けており、潜在的な読者層は拡大している」とでも言えるのでしょうか。・・・とにかく、海外からも本を買いやすくしてほしい、、、せめて、出版社自体のサイトを見れば、ある程度くわしい情報があるようになっていると助かります。

余談になりますが、フランクフルトのブックフェア、今年の特別招待国・中国の出版社は、大量の新刊本を展示して、ヨーロッパの潜在的な消費者のハートを直接わし掴みにしたと思います。日本からは、残念ながら、コミック系の大手出版社と、商談目的の一部の書店のみが出展、読者層の拡大に効果があったのかどうかは疑問です。

さて、「こども史」、どうしよう・・・

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