2009年10月20日火曜日

EU の電子図書館関連プロジェクト(枠組)

EUが関与する電子図書館関係のプロジェクトは、いろいろありすぎて分かりづらいので、整理を試みます。できるかな。
  1. EUの研究(者)支援のフレームワークをFramework Programme (FP)という。1998-2001に企画されたものをFP5、2002-2006のものをFP6、2007-2013のものをFP7(核関係のみ2007-2011)。
  2. FP7のICT(Information & Communication Technologies)の分野における方針は2005年に策定されたi2010 という文書に示されている。これには、世界的な"Digital Convergence"の進行を背景として、EUとしてはSingle European Information Space、Innovation and Investment in ICT Reseach、Inclusive European Information Societyを達成しましょう、ということが、書かれている。最後のInclusive・・・というのは、ICTの発展による利益を市民に還元しよう、ということのよう。("Digital Convergence" という語は、定義されずに多用されている。)
  3. 最新のFPであるFP7は、7つの「チャレンジ」を掲げる。そのうちの一つがChallenge4:Digital Libraries and Content
  4. このChallenge4がさらに次の3つの研究エリアに細分化されている。Digital Libraries and digital preservation、Technology-enhanced learning、Intelligent information management
  5. 電子図書館に最も関連が深いのはDigital Libraries and digital preservation の下で展開されている36のプロジェクト(内25はFP6からの継続なので2009年中の終了予定)。
  6. ただし、他の2分野のプロジェクトにも興味深いものがある。たとえばAPOSDLEはTechnology-enhanced learningの枠で支援されるプロジェクト。Intelligent information managementは、ニューメディアやセマンティックウェブについてのプロジェクトを含む。
  7. 以上の研究支援の枠組(FP)とは別に、EU自体の取組みとして、Europeanaの構築が進められている(根拠文書⇒i2010: Digital Libraries(2005年策定))。
したがって、基本的にはDigital Lirbraries and digital preservation の下の36プロジェクトとEuropeanaをウォッチすれば、EUが関与する電子図書館関連プロジェクトの動向が分かるはず。

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