2010年5月3日月曜日

Tessella社

Tessellaは、英国国立公文書館のファイルフォーマットデータベースPRONOMの作成やEUのプロジェクトのパートナーとして、電子情報の長期保存に古くから係わってきた企業です。英国国立公文書館、オランダ国立公文書館のほか、マレーシア国立公文書館、Wellcome Trust Library(イギリス拠点の医学情報図書館)、英国国立図書館等にOAISに基づいた電子文書リポジトリシステムを提供しています。
今回のECA2010での発表は、EUの電子情報保存プロジェクトPlanetsの一環として構築された電子情報の技術情報リポジトリの構築方法についての説明でした。技術情報リポジトリは電子情報の保存プロセスを自動化するための出発点であり、(1)旧式化を定義する要素、(2)マイグレーションツール及びエミュレーターに関する情報、(3)マイグレーションの成功度を図る指標、の三つを機械可読な形式で蓄えているとのことです。(1)については、各ファイルの機能レベル(例:更新履歴、パスワード機能)まで含めたかなり詳細なものになっています。それらの情報が、旧式化ファイルの抽出と処理プロセスの選択に必要だからです。成果はPlanetsの後継連合体であるOpen Planets Foundationのコア・レジストリへ引き継がれるとのことです。Tesselaの展開するOAIS準拠システムの詳細はhttp://www.digital-preservation.com/wp-content/uploads/DigitalArchiving.pdfを参照のこと。(新規の保存計画に係る機能ついては "Active Preservation" の項に詳しいです。)

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