2010年5月1日土曜日

ECA 2010


4月28日から30日の日程でジュネーブで開催された第8回ヨーロッパ・デジタル・アーカイビング会議(Conference on Digital Archiving)に参加してきました。いろいろ書きたいことはあったのですが、700名強のアーキビストたちとハイテンションな議論に揉まれてかなり疲労しており、何も手につかない状態なので、ちょっと気分転換に出かけてこようかと…。その前に、大雑把な雰囲気のみ。
日本では国会図書館がやっている政府系ウェブサイトの収集、ヨーロッパの多くの国では国立公文書館がやっています。従来の公文書の移管についての考え方だと作成から20年なり30年なり経てから公文書館に移管されるのですが、電子文書については、そんなに待っていたらリンクは切れるわ、ファイル形式は旧式化するわ、天変地異でファイルが失われるかもしれないわで保存上大きな問題なので、「早期介入」が必要ですね、というのが1点。イギリスやオランダの国立公文書館が「早期介入」の自分たちの取組事例を紹介していました。
もうひとつは、これまでどちらかというと「保存」に重点があったアーカイブ界ですが、これからはオンラインアクセスを積極的に考えていきましょう。デジタル化された資料はEuropeanaで一部提供されていますが、アーカイブ資料の多様性(と膨大な未整理文書)を考えると一足飛びにデジタル化を急速に進めるのは難しいし、アーカイブの伝統であるコンテキスト情報や文書の構造についての情報などの価値も未来に伝えたい。そうするとEuropeanaへの協力は協力として、国内レベルで二次情報も含めたポータルサイトを整備したい。あれあれ、となると、記録管理標準の適用について、公文書館間で足並みをそろえて、機械処理が可能なメタデータ標準を作っていく必要がありますね、というのが2点目。
3つ目は、EUの電子情報保存プロジェクトPlanetsの終期が迫り、成果が出揃ってきたのでその報告でした。この4年間で、電子情報保存プロセスの自動化については、技術情報リポジトリの構築と保存計画の策定の分野で大きな進歩があったようです。

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